ダウ理論というのをご存じでしょうか?
チャールズ・ダウが19世紀の終わりに提唱した相場理論のことです。このダウ理論はすべてのテクニカル分析の基礎として現在も多くの投資家に支持されています。
ダウ理論は株で使われるものですが、株価だけでなくFXにも十分使えるので取り入れてるトレーダーも多いです。
ここでは、小難しいことは置いといて、初心者が覚えておくべきことをかみ砕いて説明します。
まずは、サクッと
ダウ理論とは?
6つの理論から構成されています。
(1)平均(市場・為替レート)はすべての事象を織り込む
(2)トレンドには3種類ある
(3)主要トレンドは3段階からなる
(4)平均(市場・為替レート)は相互に確認されなければならない
(5)トレンドは出来高でも確認されなければならない
(6)トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
Wikipedia
(1)「平均(市場・為替レート)はすべての事象を織り込む」とは?
これを簡単に言うと、各国の経済状況、主要人物の発言、銀行の金融政策、企業の業績、災害、戦争、トレーダーの利益確定や損切りなど、「全ての事が為替レート(チャート)に反映されてますよ」ということです。
だから何に?と思うかもしれませんが、つまりチャート分析(テクニカル分析)が投資において最も重要だといいたいのです。
(2)トレンドには3種類ある
3つのトレンドとは「長期トレンド」「中期トレンド」「短期トレンド」です。
俯瞰的に見て、長期トレンドがあり、その中には上昇・下降の中期トレンドを繰り返しており、さらにその中には上昇・下降の短期トレンドを繰り返しているということです。
実際のチャートではこのような感じです。
ここで言いたいのは、短時間足(1分足や5分足)だけで判断せず、俯瞰的に長時間足(1時間足、4時間足、日足)も見ろということです。
MTF(マルチタイムフレーム)分析というものがあります。異なる時間軸のチャートを見て、現在の相場状況やトレンドを把握したうえで、エントリーポイントを探る基本的な分析方法です。
(3)主要トレンドは3段階からなる
3段階というのは、以下になります。
第1段階は、イケイケなトレーダーがトレンド転換かどうか判断する前に先行で買う(売る)時期です。ここでは「先行期」と言うことにしましょう。
第2段階は、多くのトレーダーがトレンドが転換されたと認識し、たくさんのトレーダーが参加してきますのでレートが大きく動いていきます。ここでは「追随期」と言うことにしましょう。
第3段階は、トレンドの終わりの時期です。「終幕期」と言うことにしましょう。プロのトレーダーはここで利食い(利益確定)をしますが、第2段階で乗り遅れたトレーダーや初心者はここで入ってしまいますので、高値をつかんだり、底値をつかんだりしてしまうのです。
ここで言いたいのは、追随期で取引するのがベストということです。
(4)平均(市場・為替レート)は相互に確認されなければならない
株式市場は、工業平均株価と鉄道平均株価の二つのシグナルを持ってトレンドとみなすという考え方なのです。
FXに当てはめるのであれば、通貨の強弱や通貨ペアとその他の通貨ペアも確認しろということです。
例えば、全体的にドルが売られている場合は、ドル円は下落しユーロドルは上昇するというように、多数の通貨ペアを分析します。
(5)トレンドは出来高でも確認されなければならない
株式市場は、出来高(取引量)をトレンドの判断材料としています。
出来高が多ければ、トレンド継続の可能性が高い。出来高が少なければトレンド終幕の可能性が高い。などと判断するわけですね。
しかし、FXでは出来高を確認することができません。
ですが、チャート分析でインジケータと呼ばれる分析ツールを使うことで、現在の「買われすぎ」や「売られすぎ」を測ることができます。
FXでは、現在のレートは過去のレートと比べて買われすぎ(売られすぎ)なのかを確認しろということです。
(6)トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
トレンドの定義は以下の記事で説明した通りです。
そして、「明確な転換シグナル」とは、上昇トレンドであれば「安値を切り下げた時」、下降トレンドであれば「高値を切り上げた時」になります。
以下記事のチャートパターンの「反転型」にも言えます。
つまりトレンド転換のシグナル(プライスアクションやチャートパターンなど)がでたら利確しろということです。
ダウ理論をFX的に一言でまとめるならば
ダウ理論をFX的に一言もしくは一行で無理やりまとめるならば以下になります。
これで初心者も覚えやすくなるかと思います。
(1)平均(市場・為替レート)はすべての事象を織り込む
⇒ チャート分析(テクニカル分析)が投資において最も重要だ
(2)トレンドには3種類ある
⇒ 短時間足(1分足や5分足)だけで判断せず、俯瞰的に長時間足(1時間足、4時間足、日足)も見ろ(MTF分析しろ )
(3)主要トレンドは3段階からなる
⇒ 追随期で取引するのがベスト
(4)平均(市場・為替レート)は相互に確認されなければならない
⇒通貨の強弱や通貨ペアとその他の通貨ペアも確認しろ
(5)トレンドは出来高でも確認されなければならない
⇒ 現在のレートは過去のレートと比べて買われすぎ(売られすぎ)なのかを確認しろ
(6)トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
⇒ トレンド転換のシグナル(プライスアクションやチャートパターンなど)がでたら利確しろ